【最近のウォーニングレター】ASTROM通信 277号

今年も残すところあと2ヶ月となりましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

今回もアメリカ食品医薬品局(FDA)がアメリカ国内外の製薬会社に出したウォーニングレター3件を取り上げ、FDAがどのような点を問題視し指摘したかを確認していきたいと思います。
最後までお読みいただければ幸いです。

最近のウォーニングレターの概要  

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。

■Warning Letter 320-23-40■

コロラド州のOTC医薬品の製造業者に対して発した2023年9月19日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

FDAはFD&C Act 704(a)(4)、21 U.S.C.374(a)(4)に従って、記録及びその他の情報の要求をしたが、回答がなかった。
FD&C Act 301(e)(21 U.S.C.331(e))のもとで、704(a)で要求される記録へのアクセスまたはコピーを許可することを拒否することは禁止されている。
貴社は704(a)(4)の記録の要求および関連するコミュニケーションに応じることを怠ったので、我々は貴社の施設で製造された医薬品として登録されている医薬品の品質保証のレベルを示すものを持っていない。
登録・医薬品リストのステイタスを確認または更新するために、48時間以内にこの文書に答え、記録及びその他の情報の要求に答えるつもりか示せ。貴社が医薬品の製造をしていないなら、最後のロットの使用有効期限を製品の販売終了日として使用し、前にFDAに登録された全ての医薬品をリストから除き、それに基づき貴社の製造所の登録を解除する。
当局は、提供された情報を確認し、貴社の製造作業のコンプライアンスの評価をするために、査察を実施するかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/hygienic-labs-llc-667816-09192023

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■Warning Letter 320-24-01■

2023年1月30日~2月3日の韓国の製造所の査察でみつかった医薬品に関するCGMP違反について発した2023年10月2日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

●指摘1

貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに準拠し、同一性、濃度、品質、純度に関して制定された規格を満たすことを保証する責任を果たすことを怠った。(21 CFR 211.22)
<指摘1詳細>
貴社は、アメリカ市場向けのOTC医薬品の製造を監督する責任と権限を持った品質部門(QU)を制定することを怠った。例えば、貴社は下記のことを保証するのを怠った:

  • 試験方法が適切にバリデートされていること(例:精度、感度、特異性、再現性)(21 CFR 211.165(e))
  • 適切な安定性データが医薬品の使用有効期限を立証していること(21 CFR 211.166(b))
  • 貴社の製造所で製造される医薬品XXに使用されるグリセリンに関し特定の同一性試験が実施されていること(21 CFR 211.84(d)(1))

医薬品の品質を一貫して保証するために全ての製造作業を監督する適切なQUが必要である。
貴社の品質システムは不十分である。
ジエチレングリコール(DEG)またはエチレングリコール(EG)で汚染された成分の使用は、世界中の人々に様々な致命的な中毒事件をもたらしてきた。
DEGまたはEGの汚染の高いリスクがある成分を含む医薬品の製造の際に貴社がCGMP要件を満たす助けとして、FDAのガイダンス文書Testing of Glycerin, Propylene Glycol, Maltitol Solution, Hydrogenated Starch Hydrolysate, Sorbitol Solution, and Other High-Risk Drug Components for Diethylene Glycol and Ethylene Glycol を見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

  • 貴社のQUが効果的に機能するために、権限とリソースが与えられていることを保証するための包括的なアセスメントと改善の計画
    アセスメントにはこれに限定されないが、以下のことも含むべきである:
    • 貴社で使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断
    • 適切な手順の遵守を評価するための、貴社の作業全体のQUの監督に関する規定
    • QUのロットの処遇の決定前の、各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュの実施
    • 調査の監督と承認と、全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するためのQUのその他全ての職務の遂行
  • 貴社の試験の業務、手順、方法の包括的なアセスメント
    このレビュに基づき貴社の試験システムを改善し、その効果を評価するための詳細な計画を提出せよ。
  • 貴社の安定性プログラムの妥当性を保証するための包括的なアセスメントと是正処置・予防処置(CAPA)の計画
    貴社の改善プログラムには、これに限定しないが下記のことを含むべきである:
    • 安定性を示す方法
    • 出荷が許可される前の、販売される容器密閉システム内の医薬品の安定性試験
    • 使用期間が妥当であるかどうかを判断するために、毎年各製品の代表的なロットが対象として追加されるような継続的なプログラム
    • 各段階(タイムポイント)で試験される特性の詳細な定義
  • 貴社の安定性プログラムと、改善された安定性プログラムのその他の要素の妥当性を保証するためのCAPAの計画の全ての手順
  • 医薬品の製造に使用されたハイリスクの成分の全てのロットの保管品のテストから得られたDEG及びEGの試験結果を30暦日以内に提供するという約束
    または、成分のロットの保管品が利用できない場合は、影響を受けた可能性のある最終医薬品の全てのロットの保管サンプルのDEGとEGの存在について試験を実施せよ。
  • DEGまたはEGの汚染のリスクがある成分(これに限定されないがグリセリンを含む)が入っている、使用期限内の医薬品に関する完全なリスクアセスメント
    DEGまたはEGを含んでいる可能性のある成分の全てのロットと関連する製品の安全性を判断するために、顧客への通知や、汚染されたロットの製品の回収を含む迅速で適切なアクションをとれ。入荷した原材料の全てのロットが、これに限定されないが、完全に適格性評価をされた製造業者から入荷し、安全でない不純物を含まないことを保証することを含む、今後のサプライチェインを保護するための追加の適切な是正処置・予防処置を決定せよ。この文書への回答の中でこれらのアクションプランを詳細に述べよ。
  • 同一性、濃度、品質、純度に関する全ての適切な規格への一致について、成分の各ロットをいかに試験するかの記述
    もし貴社が成分の各ロットの濃度、品質、純度を試験するかわりに、供給者の分析証明書(COA)の結果受け入れるつもりなら、初期のバリデーションと定期的な再バリデーションを通じて供給者の分析結果の信頼性をいかに確実に立証するつもりか明記せよ。さらに、入荷した成分の各ロットについて、少なくとも1つの特定の同一性試験を常に実施するという約束を含めよ。
    グリセリン、プロピレングリコール、特定の追加のハイリスクの成分の場合、アメリカ薬局方(USP)モノグラフのパートA, B, Cの実施が含まれることに注意せよ。
  • 製造の使用の許容性を判断するため、ハイリスクの医薬品成分の入荷ロットを試験するために貴社が使用する化学的品質管理の規格

●指摘2

貴社は、貴社が製造する医薬品が、それが持つとうたわれている、または、表示されている、同一性、濃度、品質、純度を持っていることを保証するために設計された製造と工程管理に関する手順を文書化して制定することを怠った。(21 CFR 211.100(a))
<指摘2詳細>
貴社は、貴社が一貫して品質のよい医薬品を提供できるという保証となるOTC医薬品の製造プロセスのバリデーションを適切に実施することを怠った。さらに貴社は、貴社の医薬品の製造に使用される装置が、適切な設計と適切なサイズであり、意図した用途と洗浄及びメンテナンスのための作業を容易にするために適切に配置されていることを保証するために、適格性評価を適切に実施することを怠った。装置の適格性評価は使用の適合性を証明するものであり、プロセスバリデーションプログラムに不可欠な部分である。
プロセスバリデーションは、設計の安定性とライフサイクルを通じて安定した製造作業を維持していることを評価するものである。製造プロセスのそれぞれの重要な段階は適切に設計され、原材料の投入、中間材料、最終医薬品の品質を保証する必要がある。プロセスの適格性評価の検証は、初期の管理状態が確立されているかどうかを判断する。商用の販売の前にプロセスの適格性評価の達成が必要である。その後、製品のライフサイクルを通じて貴社が安定した製造作業を維持していることを保証するために、工程性能と製品品質の継続的で慎重な監視が必要である。
製品の品質に影響を与える可能性のあるすべての製造の投入とパラメータを含む適切な
プロセスバリデーションがなければ、貴社が規格を満たす製品を再現可能な状態で提供できるという基本的な保証が不足している。
FDAがプロセスバリデーションの適切な要素とみなす一般原則とアプローチについて、FDAの業界向けのガイダンスProcess Validation : General Principles and Practices を見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

  • 製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するための、関連する手順を添えた、貴社のバリデーションプログラムの詳細な概要
    継続的な管理状態を保証するための、工程性能の適格性評価、ロット内及びロット間のばらつきの継続的なモニタリングに関する貴社のプログラムについて説明せよ。
  • 貴社で販売している医薬品毎の適切な工程性能の適格性評価(PPQ)の実施に関するタイムライン
  • 貴社の工程性能のプロトコルを含めよ。
  • 継続的な管理状態を保証するための、設計、バリデーション、保守、制御、ロット内及びロット間のばらつきの慎重なモニタリングを含む、貴社の各製造プロセスのモニタリングに関する詳細なプログラムを提出せよ。また貴社の装置及び施設の適格性評価に関するプログラムと文書化された手順も含めよ。

●未承認の新薬と違法表示の違反

XXとXXは、疾患の診断、治癒、緩和、治療又は予防のための使用を目的としているためにFD&C Act 201(g)(1)(B)、U.S.C.321(g)(1)(B)により、また、身体の構造又は機能に影響を与えることを意図しているためにFD&C Act 201(g)(1)(C)、U.S.C.321(g)(1)(C)のもとで“医薬品”である。
以下省略

●未承認の新薬の違反

省略

●違法表示の違反

省略

●品質システム

貴社の品質システムは不十分である。CGMPの規制21 CFR Parts210,211の要件を満たすために、品質システムとリスクマネジメントアプローチを実装する助けとして、FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations を見よ。

●CGMPコンサルタントの推奨

我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、貴社の作業を評価し貴社がCGMPの要件を満たすための助けをする21 CFR 211.34に記載されている適格性のあるコンサルタントを雇うべきである。貴社がFDAと共に貴社のコンプライアンス状態の解決を達成しようとする前に、適格なコンサルタントが貴社のCGMP遵守に関し貴社の全ての作業の包括的な監査を実施し、CAPAの完了と効果も評価すべきである。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の施設に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、全ての違反を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反の発生を防止する責任がある。
FDAは、貴社に対し2023年6月8日に輸入警告措置66-40をとった。
全ての違反を速やかに是正せよ。全ての違反に完全に対応され、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の製造業者としての新薬の申請やリストの補完の承認を保留するだろう。また、我々は、貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/seoul-cosmetics-co-ltd-653882-10022023

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■Warning Letter 320-24-02■

2023年3月20日~3月24日の韓国の製造所の査察でみつかった医薬品に関するCGMP違反について発した2023年10月4日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

●指摘1

貴社は、同一性と、純度、濃度、品質の適切に文書化された規格への一致について、各成分のサンプルを試験することを怠った。貴社は、成分の供給者の分析試験の信頼性を適切な間隔でバリデートし検証することを怠った。(21 CFR 211.84(d)(1), 211.84(d)(2))
<指摘1詳細>
貴社は貴社の医薬品で使用される入荷した成分の同一性について、適切に試験することを怠った。
また貴社は、適切な間隔で供給者の分析試験の信頼性を確証せず、供給者の分析証明書(COA)を信頼した。例えば、貴社は、エタノールXXの成分の同一性試験を実施しなかった。さらに、貴社はエタノール及びその他の成分の供給者の適格性評価がされていること、または、貴社が適切な供給者の適格性評価プログラムを実施しているというエビデンスを提出できなかった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

  • 成分、容器、蓋の全ての供給者が適格と評価され、原材料には適切な使用期限またはリテスト日付が付与されているかどうかを判断するための、貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュ
    レビュは、入荷した原材料の管理が、不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために適切かどうかも判断すべきである。
  • 使用期限内のすべての医薬品のロットの保管サンプルから得られた試験結果のサマリ
    これに限定されないが、各ロットの定量、純度を含む全ての適切な品質特性を試験せよ。
    もし試験でOOSの結果が出たら、顧客への通知や回収の開始を含む、貴社がとる予定の是正処置を示せ。

●指摘2

貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに準拠し、同一性、濃度、品質、純度に関して制定された規格を満たすことを保証する責任を果たすことを怠った。(21 CFR 211.22)
<指摘2詳細>
貴社は、手指の消毒剤を含む局所用OTC医薬品を製造している。
貴社の品質部門(QU)は、貴社の医薬品製造作業の品質を監督するための責任を効果的に果たしていない。具体的には、貴社は、OOSや逸脱の結果の取り扱い、調査、是正処置・予防処置(CAPA)、変更管理の実施、有害事象の報告、苦情、回収、水のサンプリングとモニタリング、害虫駆除、供給者の適格性評価、装置の適格性評価とメンテナンス、従業員の訓練を含む、重要な品質監督作業を取り扱うための責任と権限をQUに与えるための手順を持っているというエビデンスを提出できなかった。同様に、エタノールベースの手指の消毒剤に関する年次製品照査を提出できなかった。さらに貴社のQUは、充填ラインが特定されていないために、ロットの製造指図が完了していることを保証するのを怠った。
この文書への回答の中で、QUが効果的に機能するために権限とリソースを与えられていることを保証するための包括的なアセスメントと改善計画を提出せよ。アセスメントには、これに限定されないが以下のことを含むべきである:

  • 貴社で使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断
  • 適切な手順の遵守を評価するための、貴社作業全体のQUの監督に関する規定
  • QUのロットの処遇の決定前に各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュの実施
  • 調査の監督と承認と、全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するためのQUのその他全ての職務の遂行
  • また、経営陣が、これに限定されないが、製造/品質の問題に積極的に対処し、継続的な管理状態を保証するためのタイムリーなリソースの提供を含む、品質保証と信頼できる作業をいかにサポートするかについて述べよ。

●指摘3

貴社は、医薬品の製造、加工、梱包、保管において、適切な設計、適切なサイズ、使用目的とその洗浄やメンテナンスのための作業を容易にするために適切に設置された装置を使用することを怠った。(21 CFR 211.63)
<指摘3詳細>
貴社は、貴社の医薬品の製造ために使用されるXXとXXの装置の適格性評価、メンテナンスまたはキャリブレーションのエビデンスを提出できなかった。貴社の医薬品の成分として使用される水システムXXのバリデーション文書を提出できなかった。最後に、エタノールの分析測定に使用されるXXガスクロマトグラフが過去2年以内にキャリブレーションされた、または、定期的なメンテナンスを受けたというエビデンスが不足していた。
この文書への回答の中で、設備と装置の定期的で慎重な運用管理の監視を実施するためのCAPAの計画を提出せよ。この計画は、とりわけ、装置/施設の性能問題の迅速な検知、効果的な修理の実施、適切な予防的メンテナンスのスケジュールの順守、装置/施設のインフラへのタイムリーな技術的アップグレード、継続的なマネジメントに関するシステムの改善を保証する必要がある。

●未承認の新薬と違法表示の違反

XXとXXは、疾患の診断、治癒、緩和、治療又は予防のための使用を目的としているためにFD&C Act 201(g)(1)(B)、U.S.C.321(g)(1)(B)により、また、身体の構造又は機能に影響を与えることを意図しているためにFD&C Act 201(g)(1)(C)、U.S.C.321(g)(1)(C)のもとで“医薬品”である。
以下省略

●未承認の新薬の違反

省略

●違法表示の違反

省略

●施設登録と医薬品リスト

FDAの医薬品登録・目録データベースの検索では、貴社の施設はあるが、この施設に関する医薬品の有効なリストはなかった。FD&C Act 501(j)(1)(C)、U.S.C.360(j)(1)、21 CFR 207.41により、アメリカ販売用に製造、調整、増殖、混合、加工される全ての医薬品は、FDAに登録されなければならない。
貴社が現在販売中の医薬品を持っている場合、以前に製造中止となった医薬品の製造、再包装、再ラベル貼りを再開した日付を含む一覧情報のレビュと更新をし、以前に提出されていない必要な一覧情報(21 CFR 207.57)b)(iii))を提出しなければいけない。これには、販売中の医薬品の最後のロットの使用有効期限に加えて販売終了日の追加も含む。医薬品の適切なリスト掲載の不履行は、FD&C Act 301(p),21 U.S.C.331(p)のもとで禁止されていて、FD&C Act 502(o),21 U.S.C.352(o)のもとで、違法表示となる。違法表示された医薬品の州際通商への導入又は導入するための配送はFD&C Act 301(a),21 U.S.C.331(a)のもとで禁止されている。貴社がアメリカへの商用販売用医薬品の製造をしないなら、FDA/CDER(21 CFR 207.79)の登録の抹消をしなければならない。
以下省略

●CGMPコンサルタントの推奨

我々は、貴社が医薬品の登録を抹消したことを認識している。この文書への回答の中で、今後、アメリカ市場向けにこの施設または他の施設で、医薬品の製造を続けるつもりか明確にせよ。
もしアメリカ市場向けの医薬品の製造を続ける計画があるなら、作業を再開する前に通知せよ。
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、貴社の作業を評価し貴社がCGMPの要件を満たすための助けをする21 CFR 211.34に記載されている適格性のあるコンサルタントを雇うべきである。貴社がFDAと共に貴社のコンプライアンス状態の解決を達成しようとする前に、適格なコンサルタントが貴社のCGMP遵守に関し貴社の全ての作業の6つのシステム(※)の包括的な監査を実施し、CAPAの完了と効果も評価すべきである。
※6つのシステム:品質システム、施設及び装置のシステム、原材料システム、製造システム、包装&ラベル貼付システム、試験管理システム
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

●施設での繰り返しの違反

2017年8月28日~9月1日の以前の査察でFDAは同様のSGMP違反を指摘した。繰り返しの不適合は医薬品の製造の経営陣の監視と管理が不十分であることを示している。

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の施設に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、全ての違反を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反の発生を防止する責任がある。
FDAは、貴社に対し2023年7月24日に輸入警告措置66-40をとった。
全ての違反を速やかに是正せよ。全ての違反に完全に対応され、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の製造業者としての新薬の申請やリストの補完の承認を保留するだろう。また、我々は、貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/handock-cosmetics-co-ltd-658737-10042023

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回も、FDAの記録や情報の提出要求に対する拒否で、アメリカの企業に対してウォーニングレターが出ていたのが印象的でした。
韓国の製薬会社に対する2件のウォーニングレターに目新しい指摘はなかったですが、逆にどこの会社にもありうる指摘内容でした。是非、自社の作業のチェックの際に参考にしていただければと思います。
それから、これは完全な余談ですが、メルマガではマスキングしていますが、日本製のガスクロマトグラフが韓国で使用されていることがわかり興味深かったです。

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【発行責任者】

株式会社プロス 『ASTROM通信』担当 橋本奈央子 hashimoto@e-pros.co.jp

※本記事は株式会社プロスの許可を得て転載しております。

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