【最近の話題】ASTROM通信 278号

立冬を過ぎ、一気に気温が下がってきましたが、いかがお過ごしですか。

今回は、いつものウォーニングレターを含め、下記3件の話題を取り上げたいと思います。

  • イギリスのMHRAの取り組み
  • 日本のPMDAから10月に公表されたオレンジレター2件
  • アメリカのFDAが国内の製薬会社に出したウォーニングレター1件

最後までお読みいただければ幸いです。

MHRA(英国医薬品・医療製品規制庁)のAI技術に関する取り組み  

■記事抜粋

2023年10月30日、MHRA(英国医薬品・医療製品規制庁)は、開発者が高度な技術の堅牢なエビデンスを生成するため、当局が監視する仮想空間を提供する新しい“規制サンドボックス:AI-Airlock”を立ち上げると発表しました。
ヘルスケアにおけるAI(人口知能)は、診断や治療の選択の改善、投薬量の最適化、個々の患者のためのケアの改善など、様々な方法で患者の経過を向上するわくわくするような可能性を示しています。
しかし、このような技術は従来の試験技術を使って試験することが時に困難であるため、AI-Airlockプロジェクトの共同のアプローチからエビデンスの要件を確認し管理する恩恵を得ることができます。
<コメント>
AI-Airlockが具体的にどのようなものか詳細は不明なのですが、AIの導入において課題となる試験について、当局が開発者を積極的に支援しようとしている点が興味深いです。
今後の動きにも注目していきたいです。

出典: https://www.gov.uk/government/news/mhra-to-launch-the-ai-airlock-a-new-regulatory-sandbox-for-ai-developers

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PMDAの10月公表オレンジレター(GMP指摘事例速報)2件について



2023年10月にPMDA(医薬品医療機器総合機構)が2通のオレンジレターを公表しました。
オレンジレターとは、2022年度からはじまった制度で、GMP調査における指摘事項のうち業界への周知が特に有用と考えられる事例について、下記の目的で、PMDAが注意喚起や技術的な参考として公表するものです。

  • 各製造所における品質向上のための自主的な改善
  • 製造販売業者による管理監督の強化
  • PMDAによる調査業務の透明性・予見可能性の向上

2023年10月に、GMP省令第三条の三に関連し、No.10、No.11の2通が公表されました。

■No.10■組織内のコミュニケーションについて(製造現場から経営陣)

●確認事例抜粋

  • 慢性的な人員不足等により、安定性モニタリングの遅延や、製品品質照査が3年で30品目以上未実
  • 製造管理者が経営陣に正確な状況を報告しておらず、人員の補充、業務量の見直し等、抜本的な改善措置が講じられないことにより、長期にわたって医薬品品質システムの機能不全が継続

出典:https://www.pmda.go.jp/files/000265005.pdf

■No.11■組織内のコミュニケーションについて(経営陣から製造現場)

●確認事例抜粋

  • マネジメントレビューの結果に基づき経営陣が人材育成や人員配置の見直しを指示、若干名の人員の採用はされたものの、採用者の教育も含めた業務量の増大や適切な配置の見直しを行うまでに至らず、資源配分の問題を原因とする逸脱事例等の問題が継続
  • 経営陣は、製造所の人員増加の事実をもって問題解決と判断し、マネジメントレビュー以降のフォローアップや改善が不十分だった

出典:https://www.pmda.go.jp/files/000265006.pdf

<コメント>
オレンジレターには、指摘事例について自社でもチェックできるようにチェックポイントが載っています。No.10、No.11の場合は“特定の人員に負荷が集中、実施すべき業務の停滞等、医薬品品質システムの機能不全をきたしていないか“というようなチェックポイントが挙げられています。どこの会社でもありそうな話ですが、自社の品質システムの確認に使用できると思います。

最近のウォーニングレターの概要  

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。

■CMS 645781■

2022年9月26日~10月3日のネブラスカ州の製造所の査察でみつかった原薬製造に関するCGMP違反について発した2023年3月30日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

●指摘1

製造工程が所定の品質特性を満たす中間体と原薬を再現性を持って製造できると証明することの不履行
<指摘1詳細>
貴社は、中間体XXのXXを含むブタの甲状腺原薬の製造工程を適切にバリデートすることを怠った。
さらに、XX工程のプロセスバリデーションは、貴社の現在の製造工程を表現したものでなかった。
例えば:

  • 中間体XXに関するXX工程は、XXルームの温度マッピングレポートを基準として用いていた。しかし貴社は、ブタの甲状腺XXでの検証を実施し、中間体XXがXXである場合に起こりうるばらつきに対処するエビデンスが不足していた。さらにこのレポートは、XXのXXの後にのみ原材料の目標温度に達したことを示していた。貴社のレポートはドラム缶の構成材料 (例:厚さや組成)、ライナーバッグがドラム缶に使用されているかどうか、各ドラム内の中間体の量についての情報も不足していた。
  • 貴社は過去のロットXXから得たデータの懐古的評価にも基づいて、ブタの甲状腺中間体XXに関するルームXXの処理時間を判断した。貴社は、XXルームで微生物の対数1の減少はXXと結論づけた。しかし、貴社のローデータはXX以上の複数の事象で対数1より少ない減少を示していた。
  • 貴社の工程XXの性能適格性評価(PPQ)のレポートは、各ロットがXXルーム内にいた合計時間と、微生物の初期の負荷の試験データの相互関係を比較することを怠った。さらに貴社は、各PPQのXXのみをサンプリングすることの正当性に欠けていた。貴社は、化学及び微生物学的属性を含む原材料の均一性を示さなかった。
  • 貴社は、XXのステージとブタ甲状腺原薬の最終混合までのホールドタイムの正当化の根拠が欠けていた。貴社はXXまでXXルームで中間体XXを保管した。

貴社が製造したUSPブタ甲状腺原薬は、甲状腺機能低下症を治療する医薬品を製造するために使用されている。これらの製品の狭い治療範囲により、プロセスバリデーションを通じて適切に評価された中間体の適切な混合と製造は、患者が不十分または過剰な用量の投与をされるのを防ぐために不可欠である。
回答の中で貴社は、現在製造している唯一の原薬のすべての濃度のブタ甲状腺原薬の微生物試験の結果の懐古的評価を提出した。貴社は各容器の上部、中部、底部からサンプルをとるために、暫定のワーストケースのサンプリング手順を実装したと述べた。また貴社は中間体XXのワーストケースの分析結果を適用することにより、XXの固定の長さの時間を実装すると約束した。
貴社の回答は不十分である。貴社はまだ再評価の日に達していない可能性のある、他に販売されたブタ甲状腺原薬XXの微生物の影響に対応していない。貴社は中間体XXのロット内のばらつきについて評価すると約束したが、XXロットが貴社の工程を評価するための代表的なサンプルサイズであることを示す十分な根拠を提供していない。これらの検証は、XX工程内とXX工程内のサンプルについて実施されるだろうが、最終的に混合された原薬を含んでいない。貴社は、貴社のバリデーションプログラムを評価し改善するための詳細な計画を提出していない。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

  • 貴社の原薬の化学的及び微生物学的特性に影響を与える可能性のある全ての危険の、詳細で徹底的なレビュを添えた、貴社の製造作業の設計と管理の包括的で独立したアセスメント
    微生物学的特性についてのアセスメントは、これに限定されないが、総菌数やセレウス菌のような好ましくない微生物の確認を含むべきである。
  • 好ましくない微生物汚染の可能性のある原薬の販売により引き起こされる危険に対処する詳細なリスクアセスメント
    リスクアセスメントの結果に応じて、顧客への通知や製品回収など、貴社がとるアクションについて明記せよ。
  • 後で無効化されたかどうかにかかわらず、好ましくない微生物の汚染の可能性があるロットまたは規格外(OOS)の試験結果のロットの完全な調査結果
    調査は、汚染の根本原因に関する調査結果を詳細に説明する必要がある。
  • 貴社の各原薬に関する適切な微生物学的リリース規格(すなわち、総菌数、好ましくない微生物を検知するためのバイオバーデンの同定)
  • ロットの処遇を決定する前の、貴社の中間体及び原薬の各ロットを分析するために使用されている、試験方法を含む、化学及び微生物学的規格のリスト
  • 使用期限内の原薬の全てのロットの保管サンプルの試験から得られた結果のサマリ
    貴社は、各ロットについて、これに限定されないが、原薬の同一性、濃度を含む適切な全ての品質特性、微生物学的品質(総菌数、好ましくない微生物を検知するためのバイオバーデンの同定)を試験する必要がある。もし試験でOOSの結果が得られたら、顧客への通知や回収の開始を含む、貴社がとる予定の是正処置を示せ。
  • 製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するための、関連手順を添えたバリデーションプログラムの詳細な概要
    工程の性能適格性評価や、管理状態を保証するためのロット内及びロット間のばらつきの継続的なモニタリングに関する貴社のプログラムについて述べよ。プログラムは、最終原薬の混合品を得るために原薬のロットの選択に関する手順を含む必要がある。
  • 貴社が販売している各原薬の適切な工程の性能適格性評価(PPQ)(を実施するためのタイムライン
  • 貴社の工程性能のプロトコルと、装置及び施設の適格性評価の文書化された手順も含めよ。
  • 製造工程等のばらつきの全ての原因を特定し管理する、データ駆動型の科学的に合理的なプログラムがあり、一貫して適切な規格と製造の標準を満たすことを保証するための、原薬工程のアセスメント
    アセスメントには、これに限定されないが、装置の使用目的への適合性の評価、モニタリング及び試験システムの検知能力の十分性、投入原材料の品質、製造工程の各ステップと制御の信頼性を含むべきである。
  • 販売されているブタ甲状腺原薬XXとXXに関する工程の性能適格性評価の完了についてのタイムライン

●指摘2

重大な逸脱の調査に関する文書化された手順の制定及び順守の不履行または中間体及び原薬の規格の順守の不履行
<指摘2詳細>
貴社はOOSの調査を適切に実施することを怠った。例えば:

  • 貴社は全ての濃度のブタ甲状腺原薬について顧客の苦情を受け取った。苦情を受けたロットは、中間体XXのサブロットXXからなるもので、それらのうちの2ロットは大腸菌(E.coli)の汚染の可能性により、再処理されていた。貴社の調査は主に、貴社で受け取った同様の苦情の懐古的評価であった。貴社は製造工程まで調査の範囲を広げず、貴社が保管サンプルを評価したというエビデンスはない。
  • 貴社は安定性の検証のために製造されたブタ甲状腺原薬のロットについて許容範囲の6倍の微生物試験結果のOOSを報告した。貴社の限定的なフェーズ2の調査では、OOSの結果はサンプリング中の汚染の可能性が最も高いと結論づけた。当該ロットの製造工程は調査の一環として十分に評価されず、追加措置はとられなかった。
  • ブタ甲状腺原薬について、高いXXの結果について、2件のOOSの調査を開始した。貴社は、各調査で根本原因を特定しなかった。貴社の調査は、OOSのロットや、他のブタ甲状腺原薬のロットに影響を与える可能性のある製造作業にまで十分に広げていなっかった。調査は、同様に高いXXのOOSの結果と関連していたが、各調査の結論は異なった。2021年5月の調査で貴社は、当該ロットはこれ以上加工されないだろうし、不合格にされるはずであると述べた。しかし2021年8月の調査では当該ロットはリワークされたと考えられると結論づけた。各調査で是正処置・予防処置(CAPA)は開始されなかった。
    さらに、2021年8月の調査に関係のあるロットは、不合格の理由を文書化することもなく調査が終了してから1年後の我々の査察中に不合格された。

貴社は回答の中で、傾向分析、調査のまとめ、より妥協しない根本原因の特定、作業者へのインタビュを含めるよう調査手順を改定した述べた。貴社はXXの不具合の根本原因をもっと調査し、微生物のOOSの結果に関する追加情報を提供するために複数のCAPAを開始した。
貴社の対応は不十分である。貴社の苦情調査に対する対応は、貴社の製造工程を適切に評価するための不具合の対処になっていない。また、保管サンプルを評価するという約束も含まれていない。微生物及びXXのOOSの結果の根本原因をさらに調査すると約束はしたが、エビデンスの提出は怠っている。貴社が製造工程を評価し、影響がある可能性のある他のロットにまで調査を広げたかどうか不明である。
この文書への回答の中で以下のものを提出せよ;

  • 逸脱、不一致、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関する貴社のシステム全体の包括的で独立したアセスメント
    このシステムを改善するための詳細なアクションプランを提出せよ。貴社のアクションプランには、これに限定されないが、調査能力、調査範囲の決定、根本原因の評価、CAPAの効果、品質部門の監督、文書化された手順の大幅な改善を含むべきである。調査の各フェーズが適切に実施されていることを貴社がいかに保証するつもりかを検討せよ。
  • 過去3年以内に製造されリリースされたブタ甲状腺原薬に関して無効化された全てのOOSの結果(工程内試験、リリース試験、安定性試験を含む)の懐古的で独立したレビュと、以下の各OOSを含む分析結果をまとめたレポート
    • 無効化されたOOSの結果に関する科学的正当性とエビデンスが、決定的または決定的でなくても原因が試験のエラーであることを示しているかどうかの判断
    • 決定的に試験を根本原因であるとする調査について、論理的根拠を提出し、同じもしくは同様の根本原因に対して脆弱な全ての試験方法が改善のために特定されていることを保証せよ。
    • 回顧的レビュによって、試験が決定的な根本原因でない、または、試験は根本原因でないと判明した全てのOOSの結果について、製造(例:ロットの製造記録、製造ステップの妥当性、装置/施設の適合性、原材料のばらつき、工程の能力、逸脱の履歴、苦情の履歴、ロットの不具合の履歴)の徹底的なレビュを含めよ。各調査について、潜在的な製造の根本原因と、製造作業の改善のサマリを提出せよ。

●指摘3

他のロットと混合する前に、原薬のロットが規格を満たすと保証することの不履行
<指摘3詳細>
貴社は中間体XXのロットを最終的に混合する前に分析試験を実施することを怠った。貴社の最終的な混合は、最大XXロットの中間体から構成されていた。この手順は、規格を満たさないロットの混合を行ったり、貴社の最終的な原薬について報告される結果が信頼できない可能性がある。
貴社は回答の中で、貴社の全ての濃度のブタ甲状腺原薬に使用される製造工程内の中間体XXの各容器の上部、中部、底部のサンプリングを実施すると約束した。
貴社がなぜ中間体XXの微生物負荷とXXに関してのみ試験するかの十分な説明をしていないので、貴社の回答は不十分である。貴社は混合の前に、中間体XXの全ての試験をすると約束しなかった。
さらに貴社の回答は、貴社で以前に製造されまだ市場にあるかもしれないブタ甲状腺原薬の他の濃度のロットの均一性を評価するという約束が欠けている。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

  • ばらつきが生じる可能性のある上流工程の各処理ステップに焦点を当てた、製造工程内のモニタリングやサンプリング作業の包括的で独立したアセスメント
    (1)製造工程内のばらつきの検知(2)上流工程の制御(3)サンプリング計画 の3つを向上するための改善計画を提出せよ。
  • この文書の日付時点で使用期限内にあるアメリカに出荷された原薬の全てのロットの品質を判断するための保管サンプルの全ての化学及び微生物試験を実施するためのアクションプランとタイムライン
  • 各ロットの保管サンプルから得られた全ての試験結果のサマリ
    それらの試験で、原薬が標準を下回る品質であると判断された場合、顧客への通知や製品の回収等の是正処置を速やかにとれ。

●プロセスバリデーション

プロセスバリデーションは、ライフサイクルを通じて工程の設計と管理状態の妥当性を評価するものである。製造工程の重要な各ステップは適切に設計され、投入される原材料、中間材料、最終製品の品質を保証する必要がある。工程の適格性評価の検証は、初期の管理状態が確立されているかを判断するものである。
工程の適格性評価の達成は、商用の販売の前に必要である。その後、製品のライフサイクルを通じて、貴社が安定した製造作業を維持していることを保証するために継続的で慎重な工程性能と製品品質の監視が必要である。

●プロセス制御

貴社は、安定した製造作業と医薬品の品質を保証するためのプロセス制御をモニタリングするための継続的なプログラムが欠けている。FDAがプロセスバリデーションの適切な要素とみなす一般原則とアプローチについて、FDAのガイダンス文書Process Validation: General Principles and Practicesを見よ。

●品質システム

貴社の品質システムは不十分である。CGMPに準拠した品質システムを制定して維持するためのガイダンスとして、FDAのガイダンス:Q8(R2) Pharmaceutical Developmentを見よ。

●規格外の試験結果

不合格、規格外、傾向外、その他予期しない結果の取り扱いと調査の文書化についてのさらなる情報は、FDAのガイダンス文書Investigating Out-of-Specification (OOS) Test Results for Pharmaceutical Productionを見よ。
試験のエラーの可能性は、フェーズ1の調査を終了するには不十分である。試験のエラーの決定的なエビデンスがない場合はいつでも製造の原因の可能性の徹底的な調査を実施する必要がある。

●受託業者の責任

査察中、ブタ甲状腺原薬の5ロットの微生物試験結果のレビュは、微生物試験では一般的でない同一の試験結果を示した。貴社はこれらの普通でない結果の妥当性の評価を行わなかった。
正確で信頼できる結果が得られる適格性が評価された契約試験施設を使うのは貴社の責任である。
また我々は、貴社の契約試験期間が、分析証明書(COA)に “結果は、臨床または商用の使用のためGMPのリリースには適していない”と書かれていたにもかかわらず、貴社がロットをリリースするために使用するCOAを提供していたことに気づいた。この試験は、貴社の原薬のヒトの使用のリリースをサポートしていない。
FDAは、契約試験機関のような受託業者は、製造業者自身の施設の延長とみなす。貴社のCGMP順守の不履行は、貴社が貴社のクライアントのために試験した医薬品の品質、安全性、効能に影響を与える可能性がある。貴社は、CGMPを完全に順守して作業をする責任があることを理解し、これらの医薬品の試験中にみつかった規格外の試験結果や重大な問題を全ての顧客に通知する責任があることを理解することが不可欠である。

●追加の原薬のガイダンス

FDAは原薬がCGMPに従って製造されたかどうかを判断する際、ICH Q7に概説されているものが期待値であると考えている。
FDAのガイダンス文書Q7 Good Manufacturing Practice Guidance for Active Pharmaceutical Ingredientsを見よ。

●CGMPコンサルタントの推奨

我々が貴社で発見した逸脱の性質に基づき、貴社の作業を評価し貴社がCGMPの要件を満たす手伝いをするために貴社の作業を評価する適格性のあるコンサルタントを雇うべきである。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

●結論

この文書で挙げた逸脱は、貴社の施設に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、全ての逸脱を調査し、原因を判断し、再発やその他の逸脱の発生を防止する責任がある。
全ての逸脱を速やかに是正せよ。この問題に迅速かつ適切に対応しない場合、通知なしで、差し押さえや差し止め命令を含む規制または法的措置につながる可能性がある。未解決の逸脱は、他の連邦政府当局との契約を阻むかもしれない。
逸脱への対応の不履行は、FDAの輸出証明書の発行の差し控えにつながる可能性がある。
全ての逸脱が完全に対応され、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の製造業者としての新薬の申請やリストの補完の承認を保留するだろう。また、我々は、貴社が全ての逸脱に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ali-pharmaceutical-manufacturing-llc-645781-0330202

まとめ

いかがでしたでしょうか。

2つ目のオレンジレターは、“組織内のコミュニケーション”についての指摘ではありましたが、根底には人出不足の問題があると思います。
人出不足はこの先ますます進んでいきますので、1つ目のMHRAの取り組みのように、AI技術等の活用を早急に検討する必要があるのではないでしょうか。あわせて、AI技術を活用するためには、バリデーションなどの規制要件の見直しも急いで進めていく必要があると思います。

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【発行責任者】

株式会社プロス 『ASTROM通信』担当 橋本奈央子 hashimoto@e-pros.co.jp

※本記事は株式会社プロスの許可を得て転載しております。

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