2022年12月23日に厚生労働省より令和3年の薬事工業生産動態統計年報が発表されました。
以下に主な内容をピックアップしました。
出典: https://www.mhlw.go.jp/topics/yakuji/2021/nenpo/
■医薬品■
1.生産金額について
令和3年の医薬品の国内生産金額は、9兆1,802億円で、前年の9兆2,641億円と比べると、0.9%の減少となっています。
内訳は、医療用医薬品は0.6%の減少、要指導医薬品・一般用医薬品は4.7%の減少、要指導医薬品・一
般用医薬品のうちの配置用家庭薬は3.1%の増加となっています。
国内の医薬品生産金額は、令和2年に引き続いての減少となります。配置用家庭約は、ずっと減少し続けてきましたが、令和3年に増加に転じているのが興味深いです。
生産金額の多い医薬品(薬効大分類別)は、以下のようになりました。
1位 その他の代謝性薬品(1兆3,425億円、前年比+7.9%)前年1位
2位 腫瘍用薬(1兆2,990億円、前年比+8.1%)前年2位
3位 中枢神経系用薬(9,400億円、前年比-11.2%)前年3位
4位 循環器官用薬(8,987億円、前年比-4.3%)前年4位
5位 血液・体液用薬(6,168億円、前年比-3.8%)前年5位
生産金額の多い医薬品薬効中分類は以下の通りです。
1位 その他の腫瘍用薬(1兆2,377億円、前年比+8.1%)前年1位
2位 他に分類されない代謝性医薬品(7,768億円、前年比+14.0%)前年2位
3位 糖尿病用剤(4,383億円、前年比+3.0%)前年3位
4位 血液凝固阻止剤(3,678億円、前年比-1.8%)前年4位
5位 血圧降下剤(3,228億円、前年比-4.3%)前年5位
医薬品薬効中分類別で生産金額の増減を見てみますと、58分類のうち23分類で増加していました。
前年に対して増え方が多いのは、多い順に、
一般検査用剤 前年比+55.8%
免疫血清学的検査用剤 前年比+31.1%
利尿剤 前年比+29.6%
甲状腺、副甲状腺ホルモン剤 前年比+25.9%
ワクチン類 前年比+22.6%
で、逆に減り方が多いのは、多い順に、
総合感冒剤 前年比-46.9%
ビタミンA及びD剤 前年比-44.2%
主としてグラム陽性・陰性菌に作用する抗生物質製剤 前年比-26.7%
その他の化学療法剤 前年比-26.1%
抗ウイルス剤 前年比-25.2%
でした。
2.輸出入金額
医薬品の輸出金額は、5,631億円、前年比+9.9%で、金額で見た主な輸出国は
1位 スイス(1,466.1億円、前年比-5.3%)
2位 アメリカ(1,395.0億円、前年比+29.9%)
3位 中国(777.3億円、前年比+10.5%)
4位 台湾(258.4億円、前年比+13.8%)
5位 韓国(242.4億円、前年比+6.9%)
でした。
輸入金額は、3兆393億円、前年比+5.6%で、金額で見た主な輸入国は
1位 アメリカ(6,883億円、前年比+28.3%)
2位 ドイツ(6,344億円、前年比+5.9%)
3位 スイス(3,778億円、前年比+16.1%)
4位 アイルランド(2,077億円、前年比+31.9%)
5位 イギリス(1,864億円、前年比-12.1%)
でした。
3.都道府県ランキング
生産金額の多い都道府県は、
1位 埼玉県(8,465億円、前年比-3.5%)前年1位
2位 栃木県(8,127億円、前年比-6.3%)前年2位
3位 静岡県(6,998億円、前年比-16.5%)前年3位
4位 山口県(6,933億円、前年比+45.4%)前年6位
5位 富山県(6,204億円、前年比-6.1%)前年4位
でした。
生産金額の前年からの増加率が大きい都道府県のトップ5は、
1位 山口県 前年比+45.4%
2位 群馬県 前年比+34.9%
3位 石川県 前年比+26.6%
4位 島根県 前年比+12.8%
5位 山形県 前年比+12.6%
でした。逆に前年からの減少率が大きい都道府県のトップ5は、
1位 福井県 前年比-58.2%
2位 長崎県 前年比-35.9%
3位 岩手県 前年比-22.4%
4位 鹿児島県 前年比-20.9%
5位 愛知県 前年比-19.4%
でした。
4.医薬品の生産規模別構成
製造のあった製造業者数は、前年は1,212でしたが、令和3年は1,181と減少しています。
1カ月間における自社 生産金額及び受託生産金額1億円未満の製造業者数は780(66.0%)ですが、
その生産金額 は1,370億円で自社生産及び受託生産の総額の1.5%にすぎません。これに対し、
1億円以上の 製造業者数は501(34.0%)ですが、その生産金額は9兆432億円で98.5%を占めています。(全体版一部引用)
■医療機器■
1.生産金額について
令和元年の医療機器の国内生産金額は、2兆6,019億円で、前年の2兆4006億円と比べると、8.4%の増加となっています。
生産金額の多い医療機器類は以下の通りでした。
1位 医療用鏡(3,606億円、前年比+26.5%)前年1位
2位 医療用嘴管及び体液誘導管(2,576億円、前年比-6.2%)前年2位
3位 医療用エックス線装置及び医療用エックス線装置用エックス線管
(2,566億円、前年比+21.6%)前年4位
4位 内臓機能代用器(2,306億円、前年比-0.3%)前年3位
5位 血液検査用器具(1,638億円、前年比-8.8%)前年5位
2.輸出入金額
医療機器の輸出金額は、1兆30億円で前年比+3.0%で、金額で見た主な輸出国は
1位 アメリカ(1,619億円、前年比+35.1%)
2位 中国(1,251億円、前年比-26.8%)
3位 ドイツ(672億円、前年比+12.9%)
4位 オランダ(462億円、前年比-2.2%)
5位 ベルギー(289 億円、前年比-14.3%)
でした。
輸入金額は、2兆8,151億円、前年比+8.4%で、金額で見た主な輸入国は
1位 アメリカ(9,616億円、前年比-2.9%)
2位 アイルランド(3,267億円、前年比+18.7%)
3位 中国(2,593億円、前年比+12.8%)
4位 ドイツ(1,979億円、前年比+22.5%)
5位 タイ(1,063億円、前年比+22.2%)
でした。
3.都道府県ランキング
医療機器の生産金額の多い都道府県は、
1位 静岡県(3,391億円、前年比-7.2%)前年1位
2位 栃木県(2,744億円、前年比+21.1%)前年2位
3位 福島県(2,521億円、前年比+25.2%)前年3位
4位 茨城県(1,519億円、前年比-5.6%)前年4位
5位 埼玉県(1,516億円、前年比+6.9%)前年5位
でした。
生産金額の前年からの増加率が大きい都道府県のトップ5は、
1位 神奈川県 前年比+62.8%
2位 鳥取県 前年比+57.6%
3位 青森県 前年比+40.2%
4位 新潟県 前年比+26.9%
5位 福嶋県 前年比+25.2%
でした。逆に生産金額の前年からの減少率が大きい都道府県のトップ5は、
1位 沖縄県 前年比-100.0%
2位 和歌山県 前年比-17.1%
3位 熊本県 前年比-14.2%
4位 徳島県 前年比-10.9%
5位 岩手県 前年比-10.3%
でした。
4.医療機器の生産規模別構成
製造のあった製造業者数は前年は1,707でしたが、令和3年は1,716とわずかに増加しています。
1カ月間における生産金額 1億円未満の製造業者数は1,497(87.2%)ですが、その生産金額は2,117億円で自社生産及び受託生産の総額の8.1%にすぎません。これに対し、1億円 以上の製造業者数は219(12.8%)ですが、その生産金額は2兆3,902億円で91.9%を占めています。(全体版一部引用)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
令和3年は、山口県の医薬品生産金額が大幅に増加しており、日本の製薬業界が新型コロナウイルスの影響を受けていることをあらためて実感しました。
私の住む静岡は、医薬品生産金額の都道府県ランキングは3位、医療機器生産金額の都道府県ランキングは1位と去年と変わらない状態ですが、医薬品生産金額が1,386億円と大幅に減少している点が気になりました。
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株式会社プロス 『ASTROM通信』担当 橋本奈央子 hashimoto@e-pros.co.jp
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